大腸がん:早期ならば内視鏡による治療ができます

大腸がんは、大腸の大部分を占める結腸にできる結腸がんと、直腸にできる直腸がんとに分類できます。従来は、日本人には比較的少ないがんとされてきましたが、近年、食生活の欧米化とともに年々増加し、罹患者数・死亡率ともに胃がんに迫っています。

注腸X線検査でみる大腸がんの画像です

病気の経過は比較的緩やかで、がんそのものの摘出手術の可能なことが多いのですが、肝臓に転移を起こしやすく、そのために手遅れになることがあります。早期に手術をすれば、治癒率は90%以上です。

最近は、集団検診や人間ドックで、便の潜血検査による早期発見が多くなっています。自治体や病院によっては、郵送による潜血検査を受け付けているところもあります。40歳を超えたら、たとえ症状がなくても、積極的に健診を受けるようにしましょう

大腸がんの症状
大腸がんの早期には自覚症状が出現することはほとんどありませんが、発生部位によって現れる症状が若干異なります。また、がんがほかの臓器・組織に転移すると、それにともなって多様な症状が出現してきます。

便に異常が現れます

横行結腸の左側から直腸までの腸管(左側結腸)は、内腔が細くなるので、1.固形化した便が通過するときに腸壁のがん組織を傷つけて出血すると、便に血が付着する、2.がんによって大腸内径が狭くなり、便の形が鉛筆のように細くなる、 3.便秘や下痢を繰り返す、4.排便後も便が残った感じがする、といった自覚症状が早期からみられます。

また、便が出る前にお腹がぎゅっと絞られるような発作的な腹痛が生じたりします。このような症状が何度も起きるときは、早く病院で検査を受けることが大切です。

がんが成長して大きくなると、腹部にしこりができたり、長期間にわたる消化管出血によって貧血となり、めまいやふらつきが生じたり、あるいはがんに栄養を取られて体重が減少するなどの症状が出現するようになります。

また、がんが大腸内に隙間がなくなるほど大きくなった場合(腸閉塞)には、激しい痛み、吐き気、嘔吐などが出現します。このような症状がみられたらすぐに治療を受けなくてはなりません。

大腸がんの腫瘍マーカー:CEAp53抗体、STN、NCC-ST-439

大腸がんの治療法
大腸がんは適切な治療を受ければ、治る確率が高く、早期発見では手術によってほとんどが完治します。しかし現状では、病院を訪れる大腸がん患者のうち、早期がんの割合は20〜30%に過ぎないという非常に残念な状況です。

現時点での大腸がん治療の原則は外科的に手術で切除することで、手術治療を補助するために抗がん剤や放射線療法を併用することもあります。

早期がんの手術では、内視鏡を用いて開腹せずに切除する方法が普及してきていますし、肛門そばの直腸にある場合も肛門のほうからがんを切除する局所切除法も用いられます。

がんが進行している場合は、状態によって切除範囲が違ってきます。また、直腸がん手術ではかつては人工肛門を作る手術が多く行われていましたが、現在では70%異常に自然肛門が温存される手術法がとられるようになっています。