子宮がん:早期であれば子宮は残せます

子宮がんは、袋状の臓器である子宮の内側を覆う上皮細胞から発生するがんで、女性性器がんの中で、最も多いものです。
子宮がんは、子宮の入り口付近の子宮頚部にできる「子宮頚部がん」と、子宮の奥の体部粘膜にできる「子宮体がん」の2種類に分類されます。

日本人の場合、今までは子宮頸がんが圧倒的に多く、子宮がんの約80%を占めていました。しかし、ここ20年ほどの間に、欧米諸国に多いといわれていた子宮体がんが、日本でも次第に増えてきて、子宮がん全体の30〜40%を占めるようになってきました。この2種類の子宮がんは、原因も療法も異なるため、別のがんとして扱います。

子宮頸がんの画像

子宮がんの原因
子宮頸がんの原因はまだはっきりと解明されいませんが、最近ではパピローマウイルスが有力視されています。このウイルスには多くの型があり、そのなかのいくつかが、子宮頸がんに関係しているといわれています。これらのウイルスは男性の性器に潜んでいて、性交時に子宮の入り口付近の細胞に感染すると考えら手います。

子宮体がんは、女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の持続分泌が、引き金になるといわれています。卵巣から分泌されるエストロゲンは、月経血とともに剥離する、子宮内膜の再生と増殖を促進する働きがあります。
しかし、排卵障害があると、エストロゲンのみが長期間分泌され続けることになります。この遺族分泌が、がんの原因になるのです。

子宮がんの症状
子宮頸がんにみられる特徴的な症状に、性交時の子宮膣部への刺激による出血があります。子宮体がんの場合には、月経以外に出血(不正性器出血)がみられます。

とくに閉経後の不正性器出血がみられた場合は、すぐに婦人科で検査を受けたほうがよいでしょう。また、子宮や膣粘膜などからの分泌物の増加などによるおりものがみられます(おりもののことを専門的には帯下といいます)。

がんが進行すると、不正性器出血やおりものの増加が顕著になります。また、がん組織の絵師と腐敗菌の感染のため水溶性・血性・膿性のおりものが増え、悪臭を発するようになります。がんが子宮口をふさぐようになると、子宮の中に感染などによって生じた膿がたまった状態(子宮溜膿腫)になり、下腹部痛や発熱を起こします。

がんが膀胱粘膜に浸潤すると頻尿、血尿や下腹部痛がみられ、尿管が腫瘍で圧迫されると、腎臓からの尿の流出が困難になり(水腎症)、末期には尿毒症を併発します。また、直腸粘膜に浸潤すると便に血が混じるようになります。

子宮がんの腫瘍マーカー:hCGSCC、STN

子宮がんの治療法
早期の子宮がんは手術療法や放射線療法によってほとんど100%治すことができます。
子宮頸がんの治療は子宮を摘出する手術が基本です。ごく早期のがんで妊娠・出産の希望がある場合などは、患部のみを切除し、子宮を残す手術を行います。

進行している場合は、子宮摘出の手術を行いますが、切除する範囲や卵巣も同時に摘出するかなどは、進行の状況、がんの種類や患者の年齢によって判断されます。

子宮体がんの治療も子宮摘出が基本ですが、ごく早期ではホルモン療法だけの治療も可能です。手術の場合、子宮体がんは卵巣などへ転移しているケースが多いため、卵巣や周りの組織も広い範囲で摘出するのが一般的です。