PSA(前立腺特異抗原):前立腺がんの早期発見に不可欠

PSAは前立腺に特異的にみられる腫瘍マーカーで、前立腺がんが疑われるとき、まず行われるスクリーニング(ふるいわけ)検査として位置づけられています。また、がんの進み具合を鋭敏に反映するため、前立腺がんの早期発見とともに病気の推定、治療効果判定や予後予測にも用いられています。

かつて前立腺がんの腫瘍マーカーといえばPAP(前立腺酸性フォスファターゼ)が用いられていましたが、腎臓がんや腎盂がん、膀胱がんでも高値を示すことからPSAの方が使用されるようになりました。

ただし、PAPとPSAと組み合わせて検査をすることによって、前立腺がんの特定に役立っています。また、γ-Sm(ガンマ・セミノプロテイン)も前立腺がんに特異性を持つものとして、精密検査においては併用されます。

前立腺肥大症との鑑別が重要
PSAは前立腺がんだけでなく、前立腺肥大症でも血中濃度が上昇するので、3つの方法での鑑別が行われています。ひとつは、経時的な観察で、1年間に0.75ng/ml以上の上昇では前立腺がんの確率が高くなります。

もうひとつはPSA密度で、単位前立腺容積あたりのPSA値が高値であれば前立腺がんの疑いが高く、内視鏡検査で病変を少し採取して調べる生検を行う必要があります。

これらは多少煩雑なので、一番簡単な方法として検査されているのが遊離型と総PSAの比率です。前立腺がんでは、PSAと結合するタンパクも合成されるため、遊離型がぞ増えて遊離型/総PSA比は高値になりますが、前立腺肥大症ではタンパクが合成されないため、遊離型/総PSA比は低値となります。

PSAの基準値
4.0ng/ml以下(ポリクロナール法)

基準値は一応、4.0ng/mlと考えられていますが、加齢とともに上昇するため、年齢別設定が行われています。4.0〜10.0ng/mlがグレイゾーンとされています。

異常値の場合
前立腺がん、前立腺肥大症が疑われます。また前立腺組織が大きいほど、PSAも高値になります。まず、肛門から指を入れる直腸診で前立腺の状態を調べ、経直腸的超音波検査などを行い、がんが疑われたら、組織片を調べる前立腺生検で確定診断をつける必要があります。